プラチナNISAはどうなる
- lifedesignaoba
- 9月9日
- 読了時間: 3分
更新日:9月19日
石破首相の退陣表明により自民党総裁選に向けた動きが慌ただしくなってきました。
2026年度の税制改正で検討されているプラチナNISAの導入は総裁選の結果によって影響はあるのでしょうか。
まず筆頭候補に挙げられている高市早苗氏。
財政拡張派として知られ、非課税枠の拡大などプラチナNISAのような投資支援政策へ追い風となる可能性が高いようです。
次いで小泉進次郎氏となれば、柔軟な政策対応が期待されるため制度推進に寄与する可能性はあるでしょう。
財政規律や税収確保を重視する政権になれば政策のスピードや投資枠縮小などの影響が出るかもしれませんが国民の資産形成支援の根本的な流れは変わらないと思われます。
では、そもそもプラチナNISAとは何か、簡単に整理しておきましょう。
65歳以上の高齢者を対象としたNISA制度で、主な特徴は従来のNISAで対象外だった「毎月分配型投資信託」を非課税で投資できる点であり、年金のような定期的な収入を確保したい高齢者のニーズに応えることを目指しています。
現行のNISA口座からスイッチングができる仕組みも検討されています。
この制度は、岸田前首相が設立した資産運用立国議員連盟からの提言を基にしており、高齢者の資産運用を支援し、老後の生活安定化を図る目的があります。
NISAの口座数は2025年3月末時点で2,646万に達しています。2024年の新NISAの導入が起爆剤となり、2024年1年間で433万口座増加するなど、制度の普及が進んでいます。特に資産形成世代を中心に普及しており、2024年末時点の年代別口座数を見ても、50歳代、40歳代、30歳代が多く人口に対する保有率も高くなっています。
その一方で60歳代以降については、成長投資枠を中心に積極的に活用している様子が見られるものの制度の普及自体は資産形成世代と比較して進んでいません。
そのような状況の中で、高齢者層の「貯蓄から投資へ」をより一層推進するために創設が検討されているのが、高齢者層に特化した新たな少額投資非課税制度、いわゆるプラチナNISAです。
「毎月分配型投信」は過度な元本取り崩しリスクや投資における複利効果が期待できないなど様々な意見もありますが、現実には高齢世帯の分配受け取りニーズが高く毎月分配型投信の商品性を国が認めた結果、取り崩し期の家計に“非課税のインカム”を用意すると言った狙いがあります。
日銀の資金循環統計では、2025年3月末の家計金融資産は 2,195兆円と高水準です。また総務省の家計調査では、二人以上世帯の貯蓄現在高(平均値)は2024年に 1,984万円、うち世帯主が65歳以上の世帯では 2,500万円以上が約3分の1を占めます。さらに、世帯主65歳以上の無職世帯は貯蓄のうち 預貯金が約65%と厚く、インフレ環境では実質目減りを招きやすい構造です。
こうした背景から、年金に加える キャッシュフロー を非課税で得られる制度が検討されているのです。
プラチナNISAの投資枠は新NISAとは別枠で年100万円、非課税保有限度額は500万円で検討されています。家計金融資産の多くが高齢世帯に偏重している現状を考慮するとプラチナNISAの投資枠拡大の更なる検討も望まれるところです。



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